【(4)「誠実性」に関する要件】

許可の基準として、建設業においては「誠実性」が求められます。具体的には、次の条件を満たしていなければ許可を受けることはできません。

【建設業許可の場合】(法第7条第3号)

  • 法人の場合:当該法人、役員等、または政令で定める使用人
  • 個人の場合:申請者、または政令で定める使用人

これらの者が請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが要件とされます。

「不正な行為」とは、請負契約の締結または履行において詐欺や脅迫など法律に違反する行為を指します。

「不誠実な行為」とは、工事内容や工期などの請負契約に違反する行為を指します。

なお、建築士法や宅地建物取引業法などの規定により不正または不誠実な行為を行った場合、免許の取消処分を受けた者は、最終処分から5年経過していない限り、不正または不誠実な行為をするおそれがある者として扱われます。

役員等とは、業務を執行する社員、取締役、執行役などの役職を持つ者を指します。また、相談役や顧問などの役職を持つ者も含まれます。特に「同等以上の支配力を有するものと認められる者」としては、株主の議決権の100分の5以上を有する株主や出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者が挙げられます。

以上が「誠実性」に関する要件の解説です。この要件を満たすことが建設業許可を受けるための重要な条件となります。

より分かりやすく整理

4)誠実性に関する要件は、建設業の許可を受けるための基準の一つです。具体的には、法第7条第3号および第15条1号によって規定されています。以下に要点を整理します。

【許可の基準】

  • 第七条:国土交通大臣または都道府県知事は、許可を受けようとする者が以下の基準に適合していると認める場合に限り、許可を与えることができる。
  • 第十五条:特定建設業の許可を受けようとする者は、以下の基準に適合していると認められる場合に限り、許可を与えることができる。

【具体的な要件】(法第7条第3号)

  • 法人の場合:当該法人、役員等、または政令で定める使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが求められる。
  • 個人の場合:申請者、または政令で定める使用人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが求められる。

【不正な行為】

  • 請負契約の締結または履行において詐欺や脅迫など法律に違反する行為を指す。

【不誠実な行為】

  • 工事内容や工期などの請負契約に違反する行為を指す。

【関連規定】

  • 建築士法や宅地建物取引業法などの規定により、不正または不誠実な行為を行った場合、免許の取消処分を受けた者は、最終処分から5年経過していない限り、不正または不誠実な行為をするおそれがある者として扱われる。

【役員等の定義】

  • 役員等とは、業務を執行する社員、取締役、執行役などの役職を持つ者を指す。
  • また、相談役や顧問などの役職を持つ者も含まれる。
  • 「同等以上の支配力を有するものと認められる者」には、株主の議決権株主の議決権の100分の5以上を有する株主や出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者(個人の場合)が含まれます。
  • その他、役職に関係なく、取締役と同等以上の支配力を有する者も同様に該当します。

以上が「誠実性」に関する要件についての整理です。建設業の許可を受けるためには、不正や不誠実な行為をするおそれがないことが求められます。また、関連規定により過去に不正または不誠実な行為を行った者は、一定期間内はその行為を行うおそれがある者として扱われます。

根拠文献

(4)誠実性に関する要件
許可の基準
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
中略
三 法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。

第三節 特定建設業の許可
(許可の基準)
第十五条 国土交通大臣又は都道府県知事は、特定建設業の許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 第七条第一号及び第三号に該当する者であること。

以下手引

(4) 「誠実性」に関する要件―法第7条第3号、15条1号―
(法第7条第3号)
法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令
で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
ア 「不正な行為」――― 請負契約の締結又は履行の際の詐欺、脅迫等、法律に違反する行為
イ 「不誠実な行為」―― 工事内容、工期等、請負契約に違反する行為
なお、建築士法、宅地建物取引業法等の規定により不正又は不誠実な行為を行ったことをもって免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者は、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者として取り扱います。
※役員等とは
業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者(法人格のある各種の組合等の理事等(執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等を除く。))又は相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者をいいます。
「同等以上の支配力を有するものと認められる者」である可能性がある者としては、少なくとも「総株主の議決権の100分の5以上を有する株主」及び「出資の総額の100分の5以上に相当する出資をしている者」(個人である者に限る。)が挙げられます。この他、役職のいかんを問わず、取締役と同等以上の支配力を有する者についても同様です。

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